特徴
NISSO SSF(フマル酸ステアリルナトリウム)は、医薬品錠剤製造時の滑沢剤です。
主に打錠障害の抑制を目的に、打錠や乾式造粒等を行う際に添加されます。
- 滑沢性に優れる板状結晶の滑沢剤
- 融点が高い(224〜245℃)ため、打錠障害を抑制
- 滑沢性や打錠障害の抑制により、錠剤硬度を改善
- 分子内に親水基を有しているため、滑沢剤添加による崩壊時間や溶出時間の遅延を抑制
- 過混合の影響を受け難く、長時間混合した際の錠剤硬度の低下や崩壊遅延のリスクを低減
主な用途、メリット
- 錠剤硬度や崩壊時間を改善することができるため、OD錠(口腔内崩壊錠)への使用に適しております。
- 活性が低いため、不安定な原薬や相互作用がある原薬に適用できます。
- 過混合の影響を受け難いため、作業性の向上が期待できます。
製品情報
| 製品名 | フマル酸ステアリルナトリウム(SSF) |
|---|---|
| 化学式 | C22H39NaO4 |
| 構造式 | ![]() |
| CAS No. | 4070-80-8 |
| 純度 | 99%以上 |
電子顕微鏡画像
NISSO SSFは他社品と比べ、粒径が揃った板状結晶であり、高い滑沢性を示します。
粒度分布
NISSO SSFは、他の滑沢剤と比べ、粒径が細かく、均一な粒度分布を有しております。
規格値
| 検査項目 | 規格 | |
|---|---|---|
| 性状 | 白色結晶粉末 | |
| 確認試験 | 赤色吸収スペクトル | ※1 |
| 確認試験 | ナトリウム塩の定性反応 | ※2 |
| けん化価 | 142〜146 | |
| 純度試験 | 重金属(ppm) | 20以下 |
| 砒素 | 2以下 | |
| 類縁物質 | ※3 | |
| 水分(%) | 5.0以下 | |
| 定量法(%) | 99.9〜101.5 | |
| 平均粒子径(μm) | 4.0以下 ※4 | |
- ※1
- 波数:2950、2920、2850、1720、1610、1313、1186、980、665 cm-1付近に吸収がみられる
- ※2
- 炎色反応試験を行うとき、黄色を呈する
- ※3
- 試料溶液から得た主スポット及び原点スポット以外のスポットは、標準溶液から得たスポットより濃くない
- ※4
- 平均粒子径は、空気透過法により測定した値
物理的、科学的性質
- 外観
- 白色の結晶または結晶性の粉末
- 臭い
- ほぼ無臭
- 融点
- 224〜225℃
- 比重
- 0.2〜0.4g/ml
- 溶解度
- エタノール、酢酸に極めて溶けにくい
水、クロロホルム、ジエチルエーテルに殆ど溶けない
製品・サンプルサイズ、保存方法
- 荷姿
- 20kg ファイバードラム
- 保存方法
- 室温保存(1〜30℃)
- 保存期間
- 製造より3年間(室温保存)
- サンプルサイズ
- 200g ポリボトル
