CTAC
CELLULOSE TECHNICAL APPLICATION CENTER
CTAC(セルローステクニカルアプリケーションセンター)は、
NISSO HPCの新たな価値をお客様と共創する、体験型のコラボレーション施設です。
最新の製剤機器や評価機器を活用した研修や立会実験、
さらには、お客様向けに独自にご用意したインハウスセミナーなどのソリューションを通じて、
ニーズに合った処方設計サポートを実施いたします。
研修コース
社内研修の一助としてご活用いただける、製剤技術の基礎から応用まで業務に合わせた内容を選択頂ける講座を開催しております。
座学のみならず、実機を使用したデモンストレーションを併用することで、HPCの知識や理解を、より深めて頂くことが出来ます。
研修コースのお申込み・ご相談はこちら立会実験コース
技術セミナー
出張セミナー(オンラインセミナー)
製剤技術の基礎から応用まで、業務に合わせた内容を選択頂ける講座を開催しています。
出張セミナーや、オンラインによる対応が可能です。
社内研修の一助としてもご活用ください。
資料ダウンロード
学会で発表したポスターや、アプリケーションデータ、技術セミナープログラムなどの資料をダウンロードすることができます。
CTAC施設概要
製剤機器と評価機器
名 称 | セルローステクニカルアプリケーションセンター (略称:CTAC) |
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住 所 | 〒290-0045 千葉県市原市五井南海岸12-54 |
製剤機器 | 造粒機(撹拌造粒、流動層造粒、乾式造粒、二軸造粒)、加熱溶融押出機、スプレードライヤー、コーティング機、打錠機、V型混合器、解砕機 スケール:1kgまで |
粉体物性評価機器 |
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その他 |
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材料関連分析機器※1 |
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アクセス
〒290-0045
千葉県市原市五井南海岸12-54 千葉研究所内
【TEL】 0436-23-2103
【FAX】 0436-23-2144
【JRをお使いの場合】
JR内房線五井駅よりタクシーで10分
【車でお越しの場合】
東京湾岸道路 五井南海岸交差点から1分
館山自動車道 市原ICから5分
よくあるお問い合わせ
基礎物性
Q 1.HPCとはどのような物質ですか?
A.セルロースとPO(プロピレンオキサイド)を反応させて得られるHPC(ヒドロキシプロピルセルロース)で、白色~帯黄白色の粉です。
セルロースは水に溶けない物質ですが、セルロースとPOの反応によりヒドロキシプロポキシ基を導入して、セルロースの水酸基同士の水素結合を妨げることにより、可溶化したものです。
Q 2.主な用途を教えてください
A.医薬品・健康食品の錠剤・顆粒用の結合剤が主な用途です。
流動層造粒、撹拌造粒、乾式造粒、直接打錠法、二軸押出法、フィルムコーティングなど、
様々な製造方法での使用が可能です。
そのほか、塗料の増粘などにも使用されています。
また、手指のアルコール消毒剤の増粘剤としての需要も伸張しています。
Q 3.結合剤(バインダー)にはどのような種類がありますか?
A.セルロース誘導体や結晶セルロース、ビニルピロリドン重合体(PVP)系があります。
Q 4.錠剤・顆粒用の結合剤が主な用途のHPCが、なぜアルコール消毒剤の増粘剤として使用されているのですか?
A.酸・アルカリへの耐性があり、酸・アルカリの条件下でも溶液を増粘することが可能だからです。
手指用のアルコール消毒剤において、機能成分のエタノールのpHを弱酸性(pH3~4)にすると除菌力が増し、ウイルスや細菌に対して効果が増すことが知られています。
HPCは酸性下でも粘度が低下せず安定して増粘可能であるため、現在需要が伸張しています。消毒剤の増粘用途では主に高粘度銘柄(M、H)が使用されています。
Q 5.HPCの特徴的な性質にはどのようなものがありますか?
A.「熱凝集性」があります。
HPCを溶かした溶液は、40~50℃以上の高温になると白濁し、粘度が水に近い状態まで下がります。
この反応は可逆反応であり、冷却すると元の無色透明で粘性がある状態に戻ります。
※曇点は粘度銘柄により差があります。一方で粒子径の大きさは曇点に影響を与えません。
溶液にして使用する場合は、ハンドリングが良い通常粒子銘柄を推奨しております。
Q 6.HPCは有効成分/機能成分との反応性はありますか?
A.ほぼありません。
HPCは非イオン性・pH非依存性であり、化学的に 「不活性」であるため、相性の悪い有効成分/機能成分が少なく、幅広く適用可能です。
また、過酸化物価も低いため、酸化に弱い有効成分/機能成分に対しても有用です。
Q 7.HPCはどのような溶媒に可溶ですか?
A.水及びアルコールなどの極性有機溶媒に可溶です。
溶媒として水もアルコールも使用できるため、有効成分/機能成分の特性に応じた溶媒の選択が可能です。
エタノールと水の混合系にHPCを溶解させた場合、水のみで溶解させたものよりも粘度が高くなり、エタノール濃度20~40%の間で粘度が極大値を取ります。(下グラフ参照)
ハンドリング
Q 8.HPC溶液の調製方法を教えてください。
A.撹拌モーターを用いて撹拌することで、溶解可能です。
ラボスケール(~1000mL)の調製であれば、溶液の粘度にもよりますが、マグネチックスターラーでも調製可能です。
ホモディスパーなどの一般的な高速撹拌でも溶解可能です。ダマを発生させないコツについてはQ11をご参照ください。
Q 9.HPCは吸湿しやすいですか?
A.HPCの吸湿性は低いです。
湿度80%状況下のような多湿な環境では14%程まで吸湿しますが、潮解することはないため問題なく使用することができます。
しかし、使用と保管の際は、なるべく高温多湿な場所は避けてください。
Q10.溶液での使用に適した銘柄を教えてください。
A.通常粒子銘柄を推奨しています。
微粉銘柄の方が溶かす際にダマができやすいため、溶液にして使用する場合は、ハンドリングが良い通常粒子銘柄を推奨しています。
Q11.HPCの溶かし方のコツを教えてください。
A.ダマを作らないことが重要です。
【推奨例①】
高速で攪拌している溶媒にゆっくり少量ずつHPCを添加するとダマの生成を抑制することができます。
【推奨例②】
高粘度銘柄(M、H、VH)を溶かす場合は、60℃以上の温水を用いると、初期のダマ生成を抑制できるため、素早い調製が可能となります。
Q12.既にできてしまったダマを溶かす方法はありませんか?
A.ダマができてしまうと溶けにくくなってしまいます。
曇点以上の温度に加温することで、ダマを容易に分散させることができます。(Q5参照)
ダマができてしまった場合は、ダマが溶けるまで撹拌し続けるしかありません。
Q13.溶液の粘度調整はどうすれば良いですか?
A.添加量や銘柄を変えることで希望の粘度に調整いただけます。
錠剤物性
Q14.錠剤硬度を上げたい時はどうすれば良いですか?
A.HPCの添加量を増やす、または、粉末添加の場合は微粉銘柄を推奨します。
硬度はHPC添加量に依存し、HPC添加量が多くなるほど硬度が上がります。
微粉銘柄の中でも、SFPは特に優れた結合力を有しています。
Q15.錠剤の崩壊性・溶出性を変えたい時はどうすれば良いですか?
A.HPCの添加量や、銘柄選択で調整いただけます。
崩壊性・溶出性はHPCの添加量・粘度に依存します。
添加量が少ないほど、HPCの銘柄の粘度が低いほど、崩壊時間・溶出時間が速くなります。
Q16.銘柄選定のコツはありますか?
A.各用途ごとの推奨銘柄を下図にまとめました。
造粒
Q17.造粒時の結合剤の役割を教えて下さい。
A.造粒促進、粉戻り抑制、顆粒・錠剤の物性改善です。
結合剤を使用すると、造粒が速く進行するため工程時間を短縮できます。
また、顆粒が粉戻りしにくくなり、錠剤や顆粒の硬度が上がる、という効果を得ることができます。
Q18.造粒時、HPCはどのように添加すれば良いですか?
A.粉末添加、溶液添加の両方で使用可能です。
ハンドリングの都合、溶液添加の場合は通常粒子銘柄品、粉末添加の場合は微粉銘柄品を推奨します。(Q16参照)
流動層造粒では溶液添加を推奨します。
Q19.造粒が進まない時の対処法はありますか?
A.HPC溶液の粘度調整で対処可能です。
粘度が高い方が造粒が進みやすく、より粒子径の大きい顆粒ができ易い傾向があります。
また、造粒装置の運転パラメーターの適正化も重要です。
Q20.造粒の際に、結合液を加温した状態で使用することはできますか?
A.加温せず、曇点以下の温度で使用を推奨します。
溶液が曇点以上の高温になると、熱凝集が起こり溶液の粘度が下がってしまうため、結合剤として機能しません。(Q5参照)
フィルムコーティング(可塑剤への適用)
Q21.HPCはコーティング用途にも使えますか?
A.使用可能です。
HPCはフィルムコーティング基剤や、可塑剤として使用することができます。
HPMCの可塑剤として使用する場合は、HPC-SLを推奨します。(Q22~24参照)
Q22.HPCを可塑剤として使用したフィルムの特徴を教えて下さい。
A.透湿度と酸化透過度が低いことです。
Q23.HPCを可塑剤として使用したフィルムの強度はどのくらいですか?
A.応力の高いフィルムが得られます。詳細は次の表をご参照ください。
Q24.HPCを可塑剤として使用したフィルムは、付着性には問題ありませんか?
A.HPC-SLを可塑剤として使用することで、付着性を軽減することができます。
HPC-SSL SFPの粉体物性
Q25.HPC-SSL SFPはHPC全銘柄の中でなぜ結合力が最も高いのですか?
A.粒子あたりの表面積が最も大きいからです。
HPC-SSL SFPはHPCの中で最も粘度が低く、粒子径が微細な銘柄です。
結合に寄与する表面積は、通常粒子品に比べ約6倍です。
Q26.粒子径が非常に細かいHPC-SSL SFPは、使用の際に流動性が問題になりませんか?
A.有効成分や他成分の流動性に左右されます。
一般的な直接打錠法におけるHPC-SSL SFPの推奨添加量は2~5%と少量ですので、紛体混合物の流動性は有効成分や他成分の流動性に依存します。
Q27.HPC-SSL SFPは乳糖やMCC(結晶セルロース)の流動性に影響を与えますか?
A.極端に流動性を悪化させることはありません。
下記の条件で流動性を測定したところ、HPC-SSL SFPはMCCよりも、乳糖との組合せの方が若干流動性が良い傾向が見られましたが、いずれの処方でも極端に流動性が悪化する事例は見られませんでした。
・測定機器 : FT4 Powder Rheometer
・処方 : 乳糖 or MCC (90,94,97,100%)、SFP(10,6,3,0%)
・測定項目 : 圧縮率、圧密性、通気性
お役立ち情報
■ 1HPCやSSFについてより詳しいデータ・情報を知りたい
製剤技術の基礎から応用まで業務に合わせた内容を選択いただける講座を開催しています。
また、インハウスセミナーはもちろん、オンラインによる対応も可能です。
社内研修の一助としてもご活用ください。
■ 2処方検討がうまくいかない
A.処方設計サポート
お客様でご検討がうまくいかない場合に、弊社技術者が実機試作を交えながら、処方や最適な条件をご提案することが可能です。
詳細については、弊社までお問合せ下さい。
■ 3処方案だけでなく、実機の様子も見て確認したい
A.立会実験/動画での回答
処方設計を希望される原料をCTACに送付して頂き、CTAC所有の製剤機器や分析装置を用いてお客様とともに処方検討や評価を行うことができます。
ご来場が難しい場合でも、CTACでの検討の様子をライブ配信や動画でご覧頂くことができます。検討結果はオンラインでお打合せさせて頂きます。
また、CTACで作成したサンプルは貴社にお送りしますので、実物も十分にご確認いただけます。
■ 4サンプル、カタログが欲しい
こちらからリクエストをお送り願います。
担当よりサンプルや各種資料をお送りさせて頂きます。
サンプルは、100g、1kgの2種類をご用意しています。(SFPのみ、500gの1種類のみ)
また、技術資料もご覧いただけます。